沖縄のセルフダイビングポイントマップ by Japan Self Diving Force
 
誰かの家の浜

誰かの家の浜

セルフダイビング難易度:上級(エントリーまでとても遠い、潮合わせが大切)
流れ: 基本的に穏やかだが水路に離岸流有り
最大水深: 30㍍くらい
エントリーまでの距離: 2㌔くらい
ポイントの見所: 秘境感、入り組んだ地形のリーフエッジ

70号線側からは通行止めになっており、伊部海岸から2キロの道なりを踏破しないと行けない、アクセス至難のポイント。行軍3時間の潜水1時間で考えた方がいいかな。場所的には牧場と思しき誰かの家が佇んでいる、綺麗な感じのプライベートビーチだ。リーフの形状が面白く、海中地形が入り組んでいて面白い場所なので、チャレンジャーダイバーにはいいかもしれないけれど、要体力とリスク管理。

駐車事情

伊部海岸の入口付近に車を停められるスペース有。ただし地元の人が良く通る道路なので、邪魔にならない駐車を心掛けましょう。なお、近くに公衆トイレもあるのでお手洗い事情も〇です。

ルート案

なんかもうこんなルート案を載せても怒られそうな気がするのですが…(;・∀・) 伊部海岸からひたすら泳いで最寄りの浜へ上陸→水をかき分け、岩場を乗り越え、いくつかの浜を跋扈し、洋上の岩の上に乗り上げ、ようやくV字に切れ込んだ誰かの家の浜のリーフへ到達することができます。 往復工程5㌔近く、タンクを背負ってひたすら行軍する必要があるので、根性が試される一本。ちなみにこの日はうちのマネージャーであるサバちゃん(女子)が完走できたので、健康体であれば女の子でも潜水可能なコースであることは証明済みです(゚∀゚)

前々から気になって気になって仕方が無かった、楚洲~伊部の間に佇むこの浜とリーフを開拓すべく、2023年ゴールデンウィークの合宿中に伊部の浜へ集結。この日のメンバーはエフオカ(レンジャー)、アレン(部長)、サバ(マネージャー)のスリーマンセル。めたぶぅも来ていたのだが、「こんな距離を行くなんて頭おかしいんじゃないですか?!」と心を閉ざしてしまい、伊部海岸へ残留することに… 幾多の戦地を乗り越えてきためたぶぅも心が折れてしまう、そんなクレイジーな潜水地へ、いざ行かん

まずは伊部の浜から入水して、泳ぐこと500㍍。ビーチで歩いて行った方が良さそうと判断し、上陸して行軍を続けて行く

左手に見えるのが最初の上陸地点だ。 しかし、正面の岩をふと見ると… おや? おやおやー? なんだあの岩は!
これは… ゴリラチョップ ならぬ ゴリラウェーイ じゃないか!!!!
こんなにチルしているゴリラ、見たことない… 完全にブラザーの余裕を醸し出していますね、彼は
素晴らしい出会いに感謝しつつ、歩を進めていく
ゴリラウェーイを超えると更にビーチが続くので、上陸して歩いたり入水して岩場を超えたりを続けて行く
ブロッコリー岩付近。最初の遠泳と浜歩き以後は険しい岩場が続くので、タンクを背負って岩場を昇り降りできる体力が必要だ
ようやく楚洲の風力発電所が見えてきた

エントリーポイントの手前に大きな岩があるので、登ってリーフ内の地形を確かめる。 この日はそこそこ海況が穏やかだったので昇り降りができたが、海況が悪いと今日のような行軍は命取りになってしまうかもしれないので、くれぐれもコンディションは整えて行きましょう

写真では分かり辛いが、いよいよ誰かの家の浜の対角線上にあるV字型のリーフへエントリーしていく!
入ったらすぐに分かりやすく壁になっているので、V字型を意識して壁に沿って移動すれば迷うことはないだろう

入り組んだ感じの地形、小穴があったり小さめのクレバスがあったり(左の写真には1㍍級のアーラミーバイも写っていたりします)

リーフの左右共にこういった感じの壁が続いているような地形がメインです

V字型リーフの付け根部分はこんな感じの行き止まりになっており、ここからリーフ内の水が外へ流れ出ている関係で強めの離岸流が走っています。無理して逆らいたくなければ、少し沖へ出た所のリーフエッジで出入りするようにすれば楽でしょう

そんな感じで、大きなホールなどはなかったものの、おそらくほとんど潜られていない秘境の地へ自分の身一つでアタックして見て回ることができた時間、とても充実したものになりました

無事に潜水を終えて浮上し、楽しかったーと喜ぶのは時期尚早… そう、これから帰りの2時間行軍が待ち受けているのだ!(`・ω・´)

来た時よりも疲れている分、帰りは長く感じましたね~

要所要所で休憩を取りながら、無事に往復5㌔近いコースを終え、めたぶぅの待つ伊部海岸へ帰着。今日も今日とて忘れられない一本になりました(キツくて)

(執筆: アレン)