沖縄のセルフダイビングポイントマップ by Japan Self Diving Force
 
沖縄ダイビングマップ - Okinawa Diving Map

セルフダイビング

このページではスキューバダイビングにおける、セルフダイビングというジャンルに関しての経験則や考察を私なりに記載していきたいと思います。TVショッピング的に言うと「※あくまでも潜水者個人の感想です」なので、内容に関しての細かい突っ込みやクレームは無しの方向で一つよろしくお願い致します(=゚ω゚)ノ

目次:

セルフダイビングとは

楽しさ

危険性

手順

冗長性と安全管理

DPV(水中スクーター)

ソロダイビング

■セルフダイビングとは■

ガイドサービス等を使わずに、自分でダイビングを徹頭徹尾完結させること。基本的にレンタル可能なタンクがあるか、自前のタンクに充填ができる環境である必要があるため、そもそもセルフダイビングができる場所は限られてきます。我が国においては数ある潜水エリアの中でも沖縄がセルフダイビングのメッカと言えると思います。何と言ってもレンタル・充填設備が充実しているし、料金も格安だからね!

潜水の難易度を問わず、自分で器材や仲間を用意して海に出入りしたらそれはもう立派なセルフダイビング。その中毒性の高さと来たら、数ある趣味の中でも金メダルクラス(´∀`*)ウフフ 果たしてセルフダイビングの何がそんなに素晴らしいのでしょうか。

■楽しさ■

セルフダイビングの楽しさの核心は何と言っても「自由度の高さ」、「主体性」が挙げられるのではないでしょうか。かつて私もセルフダイビングを始める前はガイドに付いていくダイビングが中心でしたが、その当時はダイビングを楽しみつつも、圧倒的な魅力を感じていた訳ではありませんでした。仲間との出会いをきっかけに自分で器材を揃えて海へ入るようになり、自由に好きな所へ行ける気兼ねのなさ、自分らしい潜水ができるようになってから、すっかり水の世界に魅了されてしまいました。

今までショップを通じてしかできなかったポイント選択が、自分の判断で自由自在にできるようになり、いきなり世界が広がったような感覚になりました。ゲームに例えて言うと、最初の村を出た瞬間に世界の広大さを目の当たりにした感じです。分かり辛いですね。笑 ともかく、そう言った感動を伝えることも、このサイトを発足させる動機になりました。

潜水している時の主体性もまた、セルフダイビングの大きな魅力です。自分で天候や海況を分析し、コースを決め、ナビゲーションをしながら行動することの充実感は人に付いていくだけの潜水とは比較にならないくらい大きく、主体的に考えながら行動することでダイバーとしての練度もどんどん上がっていきます。また、どれだけ攻めたダイビングをするのか、自分の裁量で決められる点も大きいでしょう。リスクに対する許容度は各々異なるので、ここは重要な点だと思います。

なお、沖縄ではタンクのレンタル・充填料金が安いこともあり、一回のダイビングにかかる経費は500円前後という計算になります。経費がかからないという事は、行く回数を好きなだけ増やせる!ということでやはり自由度の高さに繋がっていますし、この圧倒的な経済性もセルフダイビングならではの魅力ですね。

もう一つ、一番大切な要素が「仲間」です。

ガイドを使わないとは言え、バディとの潜水が基本になることは変わりません。セルフダイビングを通じて出会い、一緒に潜水活動を続けていくうちに育む信頼と友情はまさにプライスレス。良き仲間と出会う場を与えてくれるのもセルフダイビングの魅力でしょう。


■危険性■

ダイビング自体がそれなりの危険を伴う行為であることは大前提として、セルフダイビング特有の危険性とは何でしょうか。

・ビーチエントリーをする際のケガ

・潮に流されて帰ってこれなくなる

・何かあった時、すぐに連絡や手回しをしてくれる人がいない

・自分の技量を超えた潜水をしてしまう危険性

・バディが練度不足の場合は対応する必要がある

などなど、パッと思いついたことを列挙していますが、殆どの項目は事前準備と適切な手順で回避できるので、順序建てて行動することでセルフダイビングにおける危険性は最小限に留められると考えています。

ビーチエントリーのケガ → 潮位を考えて、行動しやすい時刻を選ぶ、リーフエッジの波が穏やかな場所から出入りする

流されて漂流 → 潮汐や現地の地形を考えながら潜り、非常用装備を必携する

緊急時の対応 → 潜水予定を事前に仲間や家族に申し伝える

技量を超えた行動 → 他の人に無理に合わせようとせず、自分のキャパシティの範囲内で行動する

バディの練度不足 → バディの技量を超えた潜水をしない、事前ブリーフィングを徹底する

潜水時のリスクマネジメントはとにかく妥協をしない事。私たち人間にとって水中はアウェイな環境なので、トラブル発生から絶命までの導線が極めて短い事を念頭に置いて、一つ一つの行動を徹底することが肝要だと考えています。

■手順■

以下、セルフダイビングを行う際の大まかな手順を記載します。

(細かい所は省いていますので、参考程度に!)

①海況、天候を見て潜水に適した日を決める

→晴耕雨読の精神で行きましょう。旅程ありきの入水はおすすめしません。

海況分析にはダイバーやサーファー御用達のアプリ、Windyが絶対的におすすめ。

風向き、波向きなどの分析に絶大な威力を発揮する気象予報アプリ。

Windyがないと生活が破綻してしまいます(;’∀’)

②ダイビングポイントを決める

→予報とこのサイトのマップを参考にして行きたい所を決めましょう!(笑)

③器材、タンクの準備

→当日トラブルが起こらないよう、事前に用意と点検をするのがおすすめです。

④現地入り

→現地入りする際は駐車場所などを熟慮し、地元の人の迷惑にならないようにしましょう。

⑤海況の確認、ブリーフィング

コースやイン/アウトの場所の事前打合せを怠らず、仲間と事前に潜水計画を共有します。現地入りしたら思いのほか海況が悪かった、ということもあるので、その場合はポイントを変えるなど柔軟に対応しましょう。

⑥器材セットアップ、入水

→プリダイブチェックを行い、入水後は可能な限り生態系を傷つけないよう、ケガをしないよう足元を確認しながら移動しましょう。

⑦潜水開始

→再び器材に問題が無いか自分と仲間で互いに確認し、大丈夫そうであれば移動開始。

⑧自分のスタイルでダイビングを楽しむ

→攻めた開拓をするも良し、のんびり撮影をするのも良し、自分のスタイルで楽しみましょう!

⑨潜水終了

→付近に船や大きな波などの危険が無いかを確認し、安全停止や減圧停止をしっかりクリアーして浮上、岸へ帰投する

■冗長性と安全管理■

前述の通り、水中は私たち人間にとってはトラブルから事故発生までの過程が短く、危険を伴う環境です。少しでも安全マージンを広く取ってリスクを抑えたダイビングをすることは、自己責任で潜っているセルフダイバーにとっては特に重要な要素となります。ここではダイビングに冗長性(Redundancy)を持たせ、安全な潜水をするためのヒントをいくつか記載します。

健康で強靭な肉体

ダイビングの能力を決める一番大きな要素は技能や器材の前に、己の肉体そのものです。なんだか刃牙のようなことを言っていますが(;’∀’)

ハッキリ言って遠浅の沖縄の海々で立ち回るのは体力勝負です。ボートダイビングと違い、器材を背負って珊瑚礁を乗り越え、長い距離を泳ぎ、コンディションが悪い時でも帰って来る必要があるセルフダイビングにおいては身体が一番の資本です。安全マージンを根底から広げるためにも、日々の摂生と体力錬成をすることが究極のリスクマネジメントだと、精強な仲間を見ていて日々感じます…。

予備の空気源

水中で最も欠かせないもの、それが呼吸気。その予備を持って行くことが冗長性の最たるものかと思います。仲間と緊密に連携をして潜る時であればシングルタンクもありだと思いますが、予備の空気源があることでエア切れやレギュレーター故障などの非常時に自分ですぐに対処できることは安全面でも大きく寄与しますし、精神的な安心感にも繋がり、全ての行動に余裕が出るでしょう。

参考までに、私は専らサイドマウントで潜っていますが、フルサイズのタンクだと機動性が重要な開拓ダイビングに支障が出るので、小容量のタンクを2〜3本持って潜ることが多いです。いわゆるベビーサイドマウント、偵察装備としては一つの完成形と思っております。

これは持ちすぎ(笑) 

ボートから減圧潜水をする場合はこんな装備もやりますが、この状態でリーフエッジで波に巻かれようものなら(゚Д゚)ノアギャー です。

予備ライト

通常2本、オーバーヘッドへ行く前提の時は3本以上持つようにしています。ライトのバッテリーも事前に充電し、潜水前に入れるようにすると良いでしょう。暗闇で光源が無くなるのは死活問題なので、特に穴を探索するのが好きな人はライトのバックアップはしっかり持つようにしましょう。メインに大容量バッテリーのプライマリーライト、予備に携帯性の良いバックアップライト数本が理想でしょう。余談ですが私はAmmonite Systems社のSolaris Next Genをプライマリーに、Bigblue社のAL1300NPとTL2600NPをバックアップに使用しています。いずれも照射角の狭いライトなので、透視度の悪い環境でもハレーションを起こしにくく、コミュニケーションが取りやすいので重宝しています。

ダイブコンピューター

深度や潜水時間、酸素分圧の情報などを与えてくれるダイバー必携のアイテム。コイツが壊れたりバッテリーが上がったりすると色々な問題が発生するので(特に減圧潜水の場合)、攻めたダイビングをする時は2個持ちするようにしましょう。これはコンパスにも当てはまります。どうでもいいけど、私のPerdixは既にボロボロ… 穴へグイグイ入ってる証拠と思って諦めます(´・ω・`)

マスク

万一水中でマスクを失くしたり、壊れたりしたら悲惨ですよね(;・∀・) 特にオーバーヘッドだったら死亡リスクが大フィーバーするので、攻める時は予備のマスクも持って行きます。入水前に、予備の方にも曇り止めをするのを忘れずに! 忘れてしまうと結局よく見えません笑

ナイフ・カッティングデバイス

これはねー、個人的に全ダイバー必携のアイテムだと思っているので、持っていない人の多さに日頃から疑問が拭えません。外国人のダイバーは十中八九持っているんだけど、国内のダイバーは携行率かなり低いんじゃないかな… 何故だろう…刀狩り令?(;’∀’) 何かが絡まったり、何かに襲われた時にナイフが無いと詰む可能性が高い、とっても重要な装備なので必ず持って潜る事をおすすめします。なんなら何かに酷く絡まって、水中拘束になってしまった時用にナイフないしラインカッター等を身体の別部位に2本以上持っておくことが理想です。私は割と刃物が好きなので(危ない人じゃないよ。笑)ちょっとこだわって、↑の菊水のブルーチタンコーティングが美しいナイフを愛用しています。ナイフを携行していない人は、漂流して無人島に漂着した時のことを想像しましょう!

DSMB

いわゆるシグナルフロート。いついかなる時でも携行すべき。万一流されて漂流してしまった場合、生存率を大きく分けるアイテムがこちら。レーダー反射材や蛍光マーカーホルダーも付いていると言うこと無し。大は小を兼ねるということで、私は2mくらいのビッグサイズを使っています。(巻き取り大変…)

漂流までは行かなくとも、船やジェットスキーの往来がある場所では先にDSMBを展開してから浮上するのが良いでしょう。私は特にドリームホール付近で潜水する際はいつもフロートを展開しながら移動するようにしています。

リール・スプール類

穴ダイバー、開拓ダイバー必携アイテム、リール。出口の光が見えなくなるくらい奥行のあるオーバーヘッド環境(洞窟など)へ侵入する時は必ずラインを張るようにしましょう。小さめの洞窟でも堆積物が巻き上がると何も見えなくなり、ラインだけが頼りになります。奥行の深いオーバーヘッド環境では無いと本当に死ぬので絶必です。

穴への侵入前に出入口にラインを展開するチームメイト

出口から洞窟内までラインを張った状態。これで概ね安心

ラインと私。絶対に離さないよ(´ω`*)

血液型

今日の潜水運を占うとかではなく、大きなケガをしてしまった時のために血液型を数か所にマーキングしています。まあ出血して気絶するような状況は相当ヤバいですが、一工夫で生存率に寄与すると思えばやって損は無いかと思います。マーキングしてあると、潜っている内に仲間同士で血液型を把握できるのも良き哉。まあ、私以外誰もやっていませんが…( ;∀;)

その他安全管理に使えるツール

上から、シャカシャカ棒(正式名称不明)

ホイッスル

ラインマーカー

スレート

シャカシャカ棒は振ると大きな音が出るので、チームメイトの注意を喚起できる

ホイッスルは洋上で呼びかけたり、漂流の際に使える

ラインマーカーはオーバーヘッド環境においてライン上に設置して出口の方向を指し示したりできる。沖縄ではほぼ使わないけど…

スレートは筆談に使ったり、減圧潜水の際の行動計画を書いたりする

透明度が悪い時の安全対策

水中の濁りが酷く、視界が悪い時はチームメイトが互いを見失わないようにするため、ライトをマーカーとして後方に照らしながら行動をする。当然OKサイン、注目、トラブル発生などの伝達にも使えるので、透明度が悪い時は積極的にライトを活用しよう。(上の写真、ちょっと宇宙飛行みたいでない?)

狭すぎる穴や通路に入らない

自分の体形や装備では挟まる危険があるような、極端に狭そうな穴や通路に攻め入らないようにする。サイドマウントならある程度無理が利くが、狭い場所で転進できずに詰まってしまったら悲惨なのは変わらないので、くれぐれも無理をしないこと。水中で挟まって身動きが取れないなんて…((((;゚Д゚))))オソロシスギル

信じられない人は「Diving into the unknown」というフィンランドの映画を観ましょう。名作です。

また、狭い場所へ侵入する時は必ず信頼できるチームメイトと申し合わせた上で入りましょう。一人が外で歩哨に立っているだけで、何かあった場合に救出できる可能性がグッと上がります。

中性浮力とフィンワーク

オーバーヘッド環境において着底したり、何も考えずにバタバタと泳ぐと速攻で堆積物が巻き上がり、良くて視界不良、悪くてホワイトアウトします。酷い時は本当に30cm先も見えなくなるので、洞窟内でそうなると恐怖そのものです。これが原因で死ぬダイバー多数。なので、上述のようにラインを張ったり、出口方向に置きライトをしたりするのも大切なのですが、そもそも視界不良を起こさないようなフィンワークや体裁きを心掛けましょう。中性浮力をバシッと決めて着底しない、足首キックを使って水流を極力起こさない等。ハッキリ言って洞窟内で砂を巻き上げる人とは一緒に潜りたくないです。だって、マジで危ないから(;’∀’)

DPV(水中スクーター)

通常のセルフダイビングの範疇を超えてしまいますが、水中スクーターを使用した潜水も大変魅力的なものです。同じ携行ガス量で、人力でのダイビングの行動範囲の3~5倍のエリアをカバーできることによって得られる情報量が多いので、DPVを使ったダイビングはとても満足度の高いものになります。開拓や調査潜水を行う際も重宝しますし、テクニカルダイビングなど重装備の潜水時には非常に有効なツールとなります。ただし、DPVが機能している・バッテリーが保っている間は潮流さえものともしない頼りになる相棒ですが、不動になった瞬間ただの足かせになり得る上、広がった行動範囲が人力では仇となる可能性もあるので、定期的なメンテナンスを怠らない・不動になってもリカバリー可能なルートを計画する・理想的にはDPVを2機携えるか、チームメイトも含めた2機以上の体制で潜水に臨むのが良いでしょう。
何はともあれ、DPVのある生活最高(・∀・)

せっかくなので、私が使ってきたDPVたちの簡単なインプレも記載しておきます。国内では水中スクーター関連の情報はほとんど見かけないので、誰かの参考になれば幸いです。

Dive Xtras CUDA(写真右)
パワー・トルク: A
スピード: A(8段階)
取り回し: C
バッテリー: ニッケル水素、稼働時間約120分・航続約5㌔(3速巡行)
重量: 30㎏くらい
総評: Dive Xtras社の代表作の一つ、Cuda。とにかくデカくて重い! 重厚長大なその姿は魚雷のようである。必要あらばドア抜きに使えそう。パワーもスピードも申し分なく、ボディもデルリン製でとても頑丈。純正のニッケル水素バッテリーは容量が心許ないが、リチウムイオンバッテリーと違って航空輸送が可能である。世界中のテック・ケーブダイバーに長年利用されているだけあって、信頼度は一番高いスクーターのひとつだと思われる。ガチ勢のためにはアフターマーケットで大容量リチウムイオンバッテリーも売っているので、そちらに換装すれば発売から長年が経った今でも第一線級の戦力となるスクーターである。ただし、如何せん重すぎる!! ぶっちゃけ重くてビーチエントリーではしんどいのでもうほとんど置物と化しています(爆)いつかバッテリーを換装してなんかのミッションに使おうかな?と思案中…

Dive Xtras BlackTip Travel(写真左)
パワー・トルク: C
スピード: B(8段階)
取り回し: A
バッテリー: リチウムイオン、稼働時間約120分・航続約5㌔(3速巡行)
重量: 14㎏くらい
総評: Dive Xtras社の量産型ザク、BlackTipシリーズの最もコンパクトなモデル。上記Cudaパイセンとは真逆で、とにかく携行性に優れているので、ビーチからのセルフダイビングにおいては最適なスクーターと言えます。BlackTipシリーズはボディに強化プラスチックを使っており、コストダウンが図られているので調達コストが安いのも大きな利点です(本体価格25万円ほど)また、バッテリーが電動工具用のものを使用しているため、バッテリーの交換・入手のしやすさが非常に大きなメリットとなっています。バッテリー残量計も付いており、スピードもそこそこ出るため、普段使いでは最高のDPVだと言えます。短所は重装備のテクニカルダイビングではパワー不足を感じる事と、危険を伴うミッションではバッテリー容量に不安が残る点が挙げられます。本格的なケーブダイビングなどにおけるバックアップ用のDPVとしては最適な選択の一つでしょう。

日本潜水機 apollo avx(写真中央)
パワー・トルク: A
スピード: B(9段階)
取り回し: C
バッテリー: リチウムイオン、稼働時間約600分・航続約40㌔(サドルライディング時)
重量: 25㎏くらい
総評: 国内で唯一本格的な水中スクーターを製造販売している、アポロさんのDPV。設計思想が欧米で主流のバーハンドル+魚雷型のDPVと大きく異なり、両手持ちや脚の間に挟んで使用するサドルライディングを前提としていたり、スイッチ機構も不思議だったり、はっきり言ってガラパゴス要素が強いスクーターです。特筆すべきは1360Whの大容量リチウムイオンバッテリーによる長大な航続距離と、高い製造技術による一つ一つの部品の品質と仕上げの良さ、国産のDPVを製造開発しているという気概に関しては大変素晴らしいと思います。ただ、箱出しの状態ではかなりのマイナス浮力である上、両手が必要な取り回しの悪さが目立ったので、私はウレタン材や牽引用のケーブル・ボルトスナップを装着してようやくテクニカルダイビングに耐えうる片手操作・中性浮力を追加して使用しています。頑張っているアポロさんにはとても好感を持っているのですが、定価100万円を超えている製品としては改善点も多いと思います。その金額を出すなら、間違いなくSUEXなどの上位機種を選んでしまうでしょう(;’∀’) 国内製造の高性能で高品質なDPVが存在することは素晴らしいことだと思うので、もう少し設計思想をアップデートして、世界トップレベルの新たなavxを開発・販売して欲しいと切に願っています。私で喜んで良ければお手伝いしますよ、アポロさん!

■ソロダイビング■

ここまで読んでくれた人は相当意識の高いダイバーだと思います(笑)そんな意識が高い人はきっと練度を上げるためにガンガン潜りたいと考えているはず。様々な団体のポリシーや教本などでタブーとされる、「ソロダイビング」に関して自分なりの考えを述べたいと思います。

まず、ソロダイビングがありかなしかでいうと、大いにありだと思っています。なし寄りのありではなく、あり寄りのありです(笑)

というか、ある程度潜水を重ねて行くと、必然的に一人でも潜りたくなると思います。

指導団体や多くのダイバーの意見では「バディ潜水」をしないと危険という認識が普通だと思いますが、それが厳密に当てはまるのは減圧潜水やペネトレーションなどの潜在的なリスクが高いダイビングの場合だと考えます。(その場合はバディではなくチームメイトですし)

よく言われることなのでなるべく端折りますが、実際に有効に機能しているバディシステムがどれほどあるのか…(;’∀’) ショップでたまたま一緒になったお客さんや、時々一緒に潜る友人が緊急事態に即応精強な救助をしてくれるか、甚だ疑問です。我が分隊のように毎週真剣にブリーフィングを行い、事前に緊急時の手順を申し合わせた状態で潜っていても、仲間の緊急時にいざすぐに対処できるかは紙一重な部分です。救助に長けた集団でもそうなので、簡単なことではないでしょう。

ですので、極論を言うとあるかどうか分からない助けを期待するよりも、自分自身の練度と危機管理能力を上げる事で緊急事態に陥る確率を下げ、そうなったとしても極力自ら解決できるようにすることがソロダイビングの目標だと考えます。もちろん、仲間の危機の際には全力で助けに行くことも大前提です。

という事で前置きは長くなりましたが、ソロダイビングも取り入れて練習を重ね、自分で危機管理のできるダイバーになった上で集団行動をするのが理想ではないでしょうか。ソロも加えることで、潜水機会が増えるというメリットもあります。

ただし、上述したようにあくまでも充分なリスク管理・冗長性・身の丈を超えた潜水をしない謙虚な姿勢を以てソロダイビングに臨みましょう。また、一人で潜る時はなるべく予備の空気源を持つことが望ましいです。最初は砂辺やゴリラチョップ辺りから始めて、少しずつ課題を増やしたり難易度を上げて行けば大きな自信と練度向上に繋がるはず。当サイトのマップも参考にしつつ、自分に合った難易度で練習ができるように活用していただければ光栄です。

ソロで落ち着いて行動できるようになれば、他のダイビングにも余裕が生まれてより楽しくなります。なおマップにも記載していますが、残波岬灯台下を一人で潜るようになったら一丁前のセルフダイバーだと部長は勝手に基準としています(笑)

以上、セルフダイビングに関する私なりの散文でしたが、読んでいただきありがとうございました。また何か自分なりの発見や考察が生まれたら、適宜加筆していきたいと考えています。

海を愛する全てのダイバーに栄光あれ(`・ω・´)ゞ


(J.S.D.F. アレン)