a.k.a. 辺戸ドーム
セルフダイビング難易度:最上級
(要体力、リスク管理と潮合わせが必要、要オーバーヘッドスキル)
流れ: とても強い(本島最強レベルの辺戸西カレント有)
最大水深: 60㍍くらい
エントリーまでの距離: 200~400㍍くらい
ポイントの魅力: 宜名真鍾乳洞そのもの
北部でトップクラスに有名なダイビングポイント。鍾乳洞内の光景は圧巻で、一度は見るべき。ボートダイビングで訪れる人が殆どだと思いますが、実はセルフでも行けます。ただし強靭な肉体とダイバーとしてのスキルが無いと大きな危険を伴うため、全くおすすめしません。運動量の多さ・流れの速さ・オーバーヘッド環境と難易度は本島最高レベルに高いので、セルフで潜り切った時の充実感も最高です。行く場合はくれぐれも用意周到かつ自己責任で。
具体的な留意点として
・タンクを背負っての崖の昇り降りが続くため、体力錬成が必要
・本島で一番強いと言われる辺戸西カレントが走っているので、干潮潮止まりで潜ること
・海況が悪い時は上陸ができないリスクが高いため、行かない
・残圧をしっかり残して帰る。できれば大容量タンクを使う
・鍾乳洞内へアプローチする際、特に濁っている場合はラインを張る事
・堆積物を巻き上げたり、鍾乳石を壊さないように中性浮力は必須
フィンピボットや着底してしまう人は論外
・予備のライト・DSMB・リール等安全装備を携行する
等が挙げられると思います。
ルート案A:辺戸岬灯台下
辺戸岬の灯台の近くに車を停め、灯台の横にある獣道~崖を下ってイン・アウトするルート。崖には梯子やロープが設置してあるのでとても助かるが、上下ともに体力勝負になるのは確実。海への出入りは灯台より北上した所にある岩場からがやりやすい。
灯台下へと続く小道。季節によっては草木がボーボーなので、かき分ける必要あり。
しばらく行くと灯台が見えてくるので、灯台の左手前の獣道から森の中へ入っていく
しばらく歩くと海が見えてくる
写真では分かり辛いが、この時点でもかなり傾斜がキツく、そのため先人がロープを張ってくれている。ありがたや~(ただしロープを過信しないこと)
目前に広がる辺戸西の海。大変美しく心洗われるのですが…
ここを下っていくのはなかなかクレイジーだぜベイベー(;’∀’)
はっきり言って上下ともにキツい… 辛い… 危ない…
この艱難辛苦を乗り越えた者だけが、500円(タンク代)で宜名真鍾乳洞を訪れることができると自分を鼓舞して昇り降りする。
この先は割と命がけだもんで写真を撮る余裕がありませんでした(;’∀’)
岸壁をロープを伝って降り、梯子を伝って降り、急峻な岩場を乗り越え…
炎天下で行くとハードワークによる熱中症の危険があるため、水分を携行することをおすすめします。
岩場を北上して行くと、海へ出入り可能なスポットがあるので、そこから入水します。
そこから250~300㍍ほど海中を南下していくと、洞窟の入口があります。
具体的には岸壁が大きく陸の方へ窪んでいる場所の北側の付け根辺りになります。
崖の上に親切な人が立ててくれた、目印?のポールもあるのでそれ以上南下しないようにしましょう。
ここの海は少し沖へ出ただけで流れに捕まり、海底も50m以上落としているので流されたら糸冬です。岸壁から離れないように心がけましょう。
宜名真鍾乳洞の入口付近。地形が奥まっているので比較的分かりやすい。
中へ入っていくと、比較的浅めの棚(10m前後)があるので、そのまま陸の方へ進んでいくと入口が現れます
内側から撮影した入口
そのまま奥の方へ30-40m進むとかの有名なエアドームへと浮上できます。途中から先人が張ってくれたパーマネントラインがあるので、それをフォローすれば比較的安心なのですが、※撤去されたようです。JSDF的には自前のラインを展開するようにしています。降雨の前後は鍾乳洞内が濁っていることがあるので、その時は無理をせずに引き返す、もしくはガイドラインを徹底して展開する等しましょう。なお、鍾乳洞内の水深は10-15mと行ったところ。
エアドームへ浮上する手前
エアドーム内の光景。実際の景色は写真ではとても伝えきれないので、実際に自分の目で見に行ってみましょう。感動する事必至。
エアドームから再び潜行すると、斜め下方にもうひとつの小ホールがあり、そこにある鍾乳石の造形も見事です。とても壊れやすいので、くれぐれも身体を当てたり着底したりしないようにしましょう。
ピントボケボケなのは自分の目で見てほしいから☆ということにしておいてください
こちらの小ホールを見た後は出口へ引き返します。
この大きな出入口に光が射し込む光景は沖縄本島ダイビングの中でもトップクラスに美しいと部長は思っています。1時間くらいここで眺めていたい…
鍾乳洞を出た後、残圧に余裕があれば付近の棚や岩場を少し見物をするのもあり。
何せ水質が最高なので景色が美しいです。
帰りは波と流れに注意しながら、エントリー場所まで戻って上陸し、地獄の崖登りを経て帰投します。これをやり切ったら貴方も立派な海の戦士。
以上、宜名真鍾乳洞でした。
おまけ
ルート案B
こちらは宜名真漁港からDPVを使って行くコース。私は未挑戦ですが、友人が実現させていたので、参考までに載せておきます。往復4.5km以上あるため、それなりの航続距離のDPVを使うこと、出来ればバックアップのために2機で行くか、ツーマンセルで行くことが望ましいと思います。ミッションとしては重めですが、ビーチから入れるので予備タンクを持って行ける安全上のメリットは大きいでしょう。その内実行したいと思います。
(執筆: アレン)